天使のリングと仏像の”後光”はもともと同じものだった!?仏教芸術と西欧美術の知られざる起源 (2/4ページ)
背後の放射状の線が光背
その種類は円光、二重円光、放射光背、宝殊光背、火焔光など、仏様のタイプなどによってさまざまですが、いずれも背後から神秘的な光が差すことで、仏様の智慧やご利益などを表現しています。
これは単なる「円と線による光の表現」にとどまらず、浮彫や透かし彫りなどでデザインして技巧を凝らしたものも多くあり、仏像の美しさや崇高さ、芸術的価値を高めていると言えるでしょう。
この光背がもとで、偉大な人の背後から光が差しているように見える後光が差すという表現が生まれたりもしました。
光背の起源はあの「愛の国」!?このように偉大な神仏の頭の後ろから光が差しているという表現は、人間の太陽信仰の表れだと言われています。
一方、もう少し文化的な面での起源をたどると、実は仏像の光背と、最初に述べた天使の輪はもともとは根っこが同じだということが分かります。
仏像に光背が付けられる表現様式が誕生したのは、2~4世紀のガンダーラです。ガンダーラとはパキスタン北西部の地域のことで、大昔にはさまざまな文明が交流し、融合していった場所でもありました。
ガンダーラと言えばゴダイゴの歌を連想する人も多いでしょう。西遊記では、三蔵法師は天竺(インド)を目指しますが、ガンダーラ地方はその途中で通過する可能性がある地域でした。