新しいものに挑戦することは疲れる。それでも挑戦すべき理由 (2/4ページ)
菊池:新しいものに触れるって、学習をしなくてはいけないから、ある程度それに慣れるまでは時間もかかるし、疲れるし、億劫なものです。それに、最初から諦めちゃっているときもある。私の場合はギターとランニングです。誘われても自分には絶対できないと思って断り続けてきたけど、それでもやろうと引き上げられたら、自分にとって本当に大事なものになりました。この二つの経験から得られたことは、若い人たちに伝えたいことですね。
――今、お話に出てきたランニングはまさに菊池さんにとって切っても切れないものです。この本の中でも世界各地でランニングを楽しみ、南アフリカではウルトラマラソン(42.195km以上の距離を走るマラソン)に挑戦されていますね。走りながらその街を探検しているような姿も見えました。
菊池:それはありますね。旅行でも知らない街はまず歩く。これが何よりも面白いです。自分が宿泊している場所の周囲をまずはぐるぐるとまわるんです。しかも何があるか調べずに。そこで目立っている建物やモニュメントはだいたい名所なんですよね。
――マルタのくだりでは、菊池さんのランニングの様子とともに街の雰囲気が伝わってきました。
菊池:ここには書いていないけれど、ハワイのホノルルでは、宿舎からホノルル空港までの道をランニングしました。皆さんは空港から市街地までの道ってあまり意識して見ていないと思うけれど、ランニングで辿るといろんなものが見えてくるんです。
私は誘われてランニングを始めたのですが、最初はかなり渋っていたんですよ。学校では宿題を忘れたら2周走るとか、部活遅れたら3周走るとか、いわゆる「罰」の象徴ですよね。だから、辛いものだとか、面白くないものと私の頭にすり込まれていたように思います。
ただ、実際に走り始めたら、とにかく楽しい。仲間と「利根川楽走会」というランニングサークルを立ち上げたのですが、そこはゆっくり話しながら走ることがコンセプトなんです。走ることを「真面目」に捉えすぎないでほしい。速く走らなくちゃいけないということはないし、疲れたら立ち止まってもいいんです。