謎だらけの古代日本。在野研究者が考える「史料」との向き合い方 (5/5ページ)
牧尾:『古事記の解析』の段階では、神武天皇は崇神天皇の神話化であろうと考えていましたが、1992年に私家本として出版した『古事記考』の段階で、カモ祖族系譜の虚構構造を解明した時点で、オホタタネコの亦の名が豊ミケ主であることに気付き、これが神武天皇の幼名、豊ミケヌと同じであるため、豊ミケ主を素材にして神武天皇が作られたのではないかと考えるに至っています。
実際こう考えれば、壬申乱紀に神武天皇陵が登場して、大和平定戦の戦勝祈願にこの陵が拝祭された理由が判然としますし、またこの陵の位置が、ミワ君の祀る三輪山とカモ君の祀る葛?木山を結んだ中点にほぼ一致する地点であることもこの考えを支持するものとなりました。
神武天皇は、カモ祖族を初め虚構5代、尾張連祖族、天皇祖族、物部連祖族ら、孝霊天皇から崇神天皇までの4世代にほぼ並行する世代のものたちを含む天皇祖族連合軍による、邪馬台国連合に対する侵略伝承を一身に引き受けて語り出された架空の大王と考えられます。
(後編に続く)