細菌の持つ酵素を分離させ、空気中の水素から電気をつくることに成功。未来の空気発電装置に (3/5ページ)
だが苦労の甲斐あって、そのHuc酵素は安定しており、80℃からマイナス80℃の温度でも機能してくれた。
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Huc酵素の原子構造 / image credit:Rhys Grinter, CC BY-NC
・ごく微量の水素から発電させることができることが判明
その後の研究では、Huc酵素の驚くべき性能が明らかになっている。
なんと空気よりもはるかに薄く、気体の測定装置(ガスクロマトグラフ)ですら検出できないほどのわずかな水素であっても上手に消費できるのだ。
しかもHuc酵素は酸素があってもまったく変化がない。これまでの水素を消費する触媒には見られない特徴だ。
実際、Huc酵素を利用することで、空気中の水素を直接電気に変換して、回路に電力を供給することにも成功している。つまり空気発電は実現可能ということだ。
そして最終的には、Huc酵素の詳細な原子構造マップも作成されている。
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空気中の水素を消費して発電するHuc酵素のイメージ図 / image credit:Alina Kurokhtina・空気発電装置の実現は可能なのか?
この研究はまだ始まったばかりで、Huc酵素による空気発電の実用化までにはまだいくつかの課題があるという。
その1つは、Huc酵素を大量生産する方法だ。現時点ではミリグラム単位でしか作ることができない。研究チームはいずれ、これをグラム単位、キログラム単位で生産できるようにしたいと考えている。