いつまで人事評価に悩まされるのか? 「業績アップ」も「モチベーション向上」も大きな間違い。人事評価制度導入の意義とは (1/2ページ)
自分の会社に人事評価制度を導入しようと考えている経営者は多い。
それはこの制度を導入することで人事評価の基準がクリアになり、どうすれば自分の給料が上がるかが明確になった従業員がやる気を出し、それが会社の業績向上という形でフィードバックされるという期待があるからだろう。
だからこそ、人事評価制度を導入した企業では、社員の公平感と納得感を担保するために、精緻な評価シートづくりをしがちだ。しかし、そもそも人事評価制度は本当に従業員のモチベーション向上や業績アップにむすびつくのだろうか?
■人事評価制度を導入しても業績は上がらない『中小ベンチャー企業を壊す! 人事評価制度 17の大間違い』(白潟敏朗著、すばる舎刊)は、人事評価制度にまつわる誤解や、経営者側の過度な期待を指摘し、その本質と意義を問い直す。もちろん、人事評価制度に意味がないわけではない。ただ、過大な期待は禁物だということだ。
たとえば、書店に並んでいる人事評価制度についての本を見ると、「業績向上」や「社員のモチベーション向上」「人材育成」など、この制度を取り入れることのメリットがしきりに喧伝されている。
ただ、「人事評価制度を導入すれば業績が向上する」というのは、経営者側の過大な期待であり、誤解だと本書は指摘する。
人事評価制度で業績が向上するなら、日本中の中小・ベンチャー企業が商品開発・マーケティング・営業などの努力をしなくなります。そのような現象は起きていませんし、常に人事評価制度を構築したり改良している中小・ベンチャー企業もありません。(P59より)
会社の業績向上(利益アップ)は売り上げをのばすかコストを下げるかのどちらかでしか実現しない。経営者としては人事評価制度によって社員のモチベーションが上がり仕事をがんばるようになる。結果として業績が上がると考えるのだが、人事評価制度は「魔法の杖」ではないのだ。