「一方的な援助ではなく持てる力を交換する生活を書きたかった」津村記久子さんインタビュー(1) (4/4ページ)
――姉の理佐にしても、妹の律や世捨て人のようだった聡にしても、誰かに少しずつ支えられるだけでなく、自分ができることで恩返しをしながら生きていますよね。
津村:誰かが生活を丸抱えして面倒を見るわけでもなく、誰かが誰かの人生を変えることもなく、みんな自分ができる程度のことをして支えあっています。
理佐の場合は蕎麦屋の浪子さんにはできないことができた人(浪子さんはアレルギー体質のため鳥の世話ができない)なので、浪子さんからしたら理佐はありがたい。理佐からしたら住み込みで働けるのはありがたい。そうやって一方的な親切ではなくて助け合い、力を交換することで成り立つ生活を書けたらいいなと思っていました。
(後編につづく)