なぜ?山頂にたくさんの石仏が…南アルプスにある「地蔵岳」に登ってみた (1/4ページ)
日本は山岳信仰の国ですね。近代になる前は、娯楽としての登山の概念はありませんでした。日本人にとって山に入る事は、樵や狩猟や炭焼きなどの職業を生業とする以外の者にとって、霊的な目的や霊山に登拝することが主たる目的でした。
なので、ちょっと不思議で知られざるエピソードを持つ山がたくさんあります。
今回は実際に筆者が登った、山頂に石仏がたくさん並ぶ神秘的な山を紹介したいと思います。
山頂近くにお地蔵さんがたくさん並ぶ地蔵岳南アルプスに鳳凰三山と呼ばれる三座があります。
地蔵岳(標高2764m )、観音岳(標高2840m )、薬師岳(標高2780m)の三山を総称して「鳳凰三山」と呼ばれています。
歴史は古く、764年(天平宝8年)に孝謙天皇が鳳凰山へ登頂したと伝えられており、古くから信仰登山の対象でした。
このなかの、一番北に鎮座する「地蔵岳」の山頂にはたくさんの地蔵が並んでおり、「賽の河原」と呼ばれています。
その隣の巨岩群が、地蔵仏のようだとも、くちばしを上に向けた鳳凰のようだとも言われ、現在はオベリスクという呼称が定着しています。この岩が麓から見るとお地蔵さんがすっくと立っているように見えるということから「地蔵岳」という名前がついたと言われています。