大注目の青春小説『成瀬は天下を取りにいく』 主人公の人気に作者は「意外です」 (2/5ページ)
――「ありがとう西武大津店」を書いたのは、西武大津店が閉店した後になるんですか?
宮島:そうです。2020年8月末に西武大津店が閉店して、この小説を書き始めたのは9月です。閉店してすぐに書き始めて、R-18文学賞の応募の10月末までに間に合わせました。
西武大津店の閉店はかなりホットなトピックだったので、その分、記憶も鮮明に残っていました。小説ではそこをかなり活かせたように思います。
――そして「ありがとう西武大津店」でR-18文学賞を受賞されますが、その時の大津在住のお知り合いやご友人はどんな反応でした?
宮島:喜んでくれました。受賞が滋賀の新聞の地域面にも取り上げられたりしたので、少し話題になったんです。さらにその後、西武大津店の昔の思い出について近所の方からお話を聞いたりして、その存在の大きさを改めて知りました。
――この小説において、やはり主人公の成瀬あかりの存在感は圧倒的で、誰もが目を奪われる、語りたくなるようなキャラクターです。宮島さんにとって、成瀬は思い入れの強いキャラクターになったのではないですか?
宮島:成瀬は主人公なんですけど、実はそこまで強い思い入れはないかもしれません。最初から変わった女の子にしようとは思っていましたが、特別際立った存在ではなく、普通にこの物語の主人公という感覚として書いていたので、ここまで人気が出るというのは私としては意外なんですよね。
もちろん、面白いキャラクターにしようとは思っていました。成瀬がこんなこと言ったら面白いかなということを文章の中に少しずつ入れていったりはしたんですけど、それも意識的にやっていったというより、成瀬だったらこういうときにどう振る舞うだろうかと考えて自然に浮かんできたものを書いていった感じです。