大注目の青春小説『成瀬は天下を取りにいく』 主人公の人気に作者は「意外です」 (3/5ページ)
――本書のレビューやコメントを見ると、成瀬のキャラクターを語っている人も多いように見受けられますが、そうなることは特に狙ってはいなかったわけですね。
宮島:そうなんです。だから、皆さんが成瀬のことをこんなに触れてくれるのが不思議で、私としては成瀬以外の登場人物にもぜひ触れてほしいなと思っています。
私としては成瀬以外にも一人ひとり思い入れがあって、それは成瀬に対する思い入れと変わらないくらいのものなので、ぜひ島崎や大貫、西浦、その友人の中橋みたいなちょい役の人にも目を向けてもらえると嬉しいです。
成瀬ばかりが目立っているように見えるかもしれないけれど、成瀬を引き立てているのは、彼女のそばにいる島崎や大貫といったキャラクターたちなので、その意味でも一人ひとり力を込めて書きました。
■作者お気に入りのキャラクターは「大貫かえで」――宮島さんの中で特にお気に入りのキャラクターは誰ですか?
宮島:みんな好きという前提の上であえてあげるとすると、高校で同じクラスになる大貫かえでですね。大貫がいないとこの物語自体が少し違う方向に進んでしまいそうになるというか、他のキャラクターと違って彼女は成瀬に否定的な見方をするんです。そういう意味では非常に重要なキャラクターですし、性格的に大貫が一番共感できるという女性も多いと思います。
――大貫の視点で書かれた「線がつながる」は、成瀬に対する強い意識とともにスクールカーストの部分も上手く表現されていました。
宮島:多かれ少なかれ、どの学校でもあるものですよね。それは時代が変わってもそうで、学校に通っている以上、避けては通れないものだと思います。そして大半の人がなんとか学校生活を終えて出ていく。その一時のことを書きたいと思ったんです。
――大貫とある意味で逆の位置にいるのが島崎みゆきです。