幹細胞から初めて「ヒト」の人工胚を作成することに成功。倫理的な問題を懸念 (2/4ページ)
そこで胚性幹細胞から作られた今回の人工ヒト胚は、法律によって許されるギリギリの14日目まで育てられた。(現在多くの国が、胚や胚様の構造物を14日以上研究のために実験室で培養することは規制されている)
この時期になると、「原腸陥入」という胚の発達の一大イベントが起き始める。それまで、球のような細胞の塊だったものにくぼみができて、内側へ向かって「原腸」が作られるようになるのだ。
ただし、この人工胚の場合、その時点ではまだ腸も心臓も腸もなかった。それでも卵子と精子の素になる「始原生殖細胞(将来生殖細胞になる根本の細胞)」があることなら確認されている。
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・人工胚がきちんと最後まで成長できるかどうかは不明
こうした人工胚作成技術は、現在急速に発展を遂げているとのこと。
たとえば昨年、イスラエルの研究チームが、マウスの幹細胞から初期の胚に似たものを作ることに成功した。その胚状の物体には、腸やごく最初の脳、鼓動する心臓といった構造が備わっていたという。
だが、こうした人工胚が、最後まで成長できるのかどうかよくわかっていない。
マウスの人工胚は、自然の胚とほぼ同じような見た目だったが、メスの子宮に移植しても最後まで育たなかったのだ。
さらに、とある中国の研究チームがサルの細胞から作った人工胚の場合、メスに妊娠初期の兆候が現れたが、こちらも数日以上は成長しなかったという。
こうした失敗の原因が技術的な問題なのか、それとももっと根本的な問題があるのか、よくわかっていないとのことだ。