幹細胞から初めて「ヒト」の人工胚を作成することに成功。倫理的な問題を懸念 (1/4ページ)
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イギリスの科学者が、卵子も精子も使うことなく、幹細胞から”ヒト”の人工胚を作ることに成功したそうだ。
ヒト胚とは、卵子と精子が結びついてから8週目までの人間のごく最初の段階のこと。9週目以降は胎児と呼ばれるようになる。
つまりは精子も卵子も使わずに、仮にそのまま成長するとしたら人間になるものが人工的に作られたことになる。
この人工ヒト胚をモデルとして使うことで、遺伝子疾患や繰り返される流産などの原因究明を進めることができるという。
その一方で深刻な倫理的および法的問題を引き起こす可能性があると指摘されている。
・胚性幹細胞から育てたヒトの人工胚、14日間培養に成功
この画期的な研究は、ケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学のマグダレナ・ジェルニツカ=ゲッツ(Magdalena Żernicka-Goetz)教授らによるものだ。
その成果は、ボストンで開催された国際幹細胞研究学会(International Society for Stem Cell Research)の年次総会で発表された。
この人工ヒト胚に心臓や脳はないが、胎盤や卵黄嚢になる細胞や、胚そのものを成長させるための細胞ならきちんと持ち合わせている。
ただし、これを人間の女性の子宮に移植したとして、きちんと子供が生まれてくるのか今のところわからない。
そもそも、これを人間の子宮に移植することはイギリスにおいては違法とされている。
ジェルニツカ=ゲッツ教授らの目的は、人工胚から人間を作り出すことではない。まだ解明があまり進んでいない発達の初期段階を理解する手がかりにすることだ。