三葉虫の目は方解石というクリスタルでできていた。いまだ謎めいた存在の古生物 (4/6ページ)

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Erbenochile erbeniの目/ / image credit:Moussa Direct Ltd./Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0・二重に見える「複屈折」がある方解石
 じつは方解石には、目の素材としては不向きではないかと思わせる特徴がある。それはこの石には自然界でもっとも強い「複屈折」があることだ。屈折率が2つあるのだ。

 水に入った光が、屈折するのは知っているだろう。そのせいで水の中の指が曲がって見えたりする。

 方解石の場合、そこに入った光は2種類の屈折率のせいで2つに分かれ、それぞれ違うスピードで進む。だから二重の像ができる。

 ホロクローアル眼のような小さなレンズの場合、これはあまり問題にならない。光のズレは小さく、ほとんど感知されないからだ。

 だがスキソクローアル眼のような大きなレンズでは、困ったことになるかもしれない。

 そもそも方解石にしなやかさはない。だから目の焦点を合わせて、光のズレの影響を和らげることもできない。

 だが自然とはよくできたもので、三葉虫はそれを補うまた別の仕組みを備えている。

 スキソクローアル眼は、いわゆる「ダブレット(2枚構造)レンズ」なのだ。つまり、屈折率が異なるレンズを2枚合わせて、複屈折を補正できたらしい。
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