「沖縄県営鉄道」を知っていますか?史上最悪の鉄道事故は旧日本軍のミスで起きていた【後編】 (2/4ページ)
しかし当時の沖縄県営鉄道は軍事輸送列車として使われていため、戦闘用の弾薬なども大量に積載していました。
それら全てに引火したことで、次々に誘爆を起こして多くの犠牲者を出す結果となったのです。
住民も被害をこうむるさらに、被害が拡大したのは他にも理由がありました。当時は、鉄道の線路脇周辺のサトウキビ畑に軍の弾薬が数百トンも野積みされていたのです。
鉄道で発生した爆発と火災はそれらにも引火したため周囲は火の海となり、あげく一部家屋に延焼しました。
このような状態だったので爆発は一度だけで終わらず何度も発生し、爆発音は一晩中響いていたといいます。付近の村人も壕などに避難しました。
また、列車には多くの貴重な医療品も積み込まれていましたが、これらも爆散。付近のガジュマルなどの木々には、吹き飛ばされた包帯や犠牲者の身体の一部などが引っかかっていたといいます。
隠蔽工作と沖縄戦への影響この事故が、戦後全く知られないままだったことからも分かる通り、軍部は沖縄県営鉄道事故の発生を徹底的に隠蔽しています。
そこまでしたのは理由があり、そもそも軍では、無蓋車にガソリン弾薬を積載することを厳禁していたのです。つまりこの事故は旧日本軍の不手際が原因で起きたことで、いわば軍にとっては大スキャンダルでした。