「沖縄県営鉄道」を知っていますか?史上最悪の鉄道事故は旧日本軍のミスで起きていた【後編】 (3/4ページ)

Japaaan

この事故について、第32軍の参謀長・長勇(ちょう・いさむ)中将は激怒し、注意喚起として次のように記しています。

長勇陸軍中将。沖縄戦で割腹自殺を遂げた(Wikipediaより)

国軍創設以来初めての不祥事件なり、これにより当軍の戦力が半減せりというも、過言ならず。(中略)今、敵上陸するとせば、われは敵に対応すべき弾薬なく玉砕するほかは無き現状」(原文は旧字・カタカナ表記)。

つまり、この事故によって沖縄での日本軍の戦力は半減し、「これではまともに戦えない、玉砕するしかない」という認識が示されたのです。弾薬数百トン損失という被害は、それだけ看過できないものでした。

もうお判りでしょう。この事故は沖縄戦の直前に起きており、のちの沖縄戦における防衛体制や物資補給に大きな影響を与えたのです。

歴史にイフはありませんが、もしこの事故が起きていなければ、沖縄戦の顛末も少しは変わっていたかも知れません。ちなみに先述の長勇中将も、沖縄戦で追い詰められて割腹自殺しています。

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