祝!八冠!藤井聡太21歳「全タイトル制覇」驚愕裏側【画像】完全制覇までの歩み (2/4ページ)
一方、永瀬さんは持久戦を得意とするマラソン選手で、王座戦では、永瀬さんがうまく“マラソン対決”に持ち込み、優位に進めていました」
その後、第2、3局では藤井が勝利したものの、内容的には永瀬王座のペースだったという。そして今回の第4局でも、序盤から完全に永瀬が支配していた。
「お互いが持ち時間を使い切り、終盤で1分将棋に突入しましたが、永瀬さん優勢のまま。AI(人工知能)による評価値では、藤井さんの勝つ確率が1%にまでなりました」(前出の記者)
1対99。絶体絶命の状況で“奇跡”が起こる。
「藤井さんがしぶとく耐えつつ、迎えた123手目。永瀬さんの一手で、評価値が1%から84%まで、ひっくり返ったんです。諦めない藤井さんの驚異の粘りが永瀬さんのミスを誘った形ですが、まさに“世紀の大逆転劇”と言っても過言ではありません」(前同)
そのまま勝利したが、この驚異的な終盤力には、前出の佐藤九段も、こう唸る。
「たとえ勝率1%でも逆転はあるという、将棋のゲーム性が見えた対局でした。また、藤井さんのミスをしない将棋と、その強さを改めて実感させられた。間違いなく、今年一番の対局だったと思います」
■棋聖で「AI超えの一手」
では、そんな史上最強の“八冠王”は、どのように実力を高めてきたのか。
振り返れば、2016年12月に史上最年少の14歳2か月でプロデビュー。それから4年もたたない2020年7月。初タイトルとなる「棋聖」を獲得した。
「これは、屋敷伸之九段が持つ18歳6か月を30年ぶりに塗り替える新記録で、当時はまだ高校生でした。加えて、相手は当時三冠だった渡辺明九段。現役最強とも称される棋士を倒したことも、大きな衝撃を与えました」(将棋関係者)
このときの第2局では、藤井が指した「△3一銀」が、将棋AIが6億手読んで初めて最善手と分かった「AI超えの一手」として、大きな話題となった。
「人間が瞬時に6億手を読むのは不可能なので、藤井さんは、これまでの研究や実践経験を基に、この手には何かあると思って指したんだと思います。