“障がい者向け”という言葉は使いたくない。ランジェリーブランド「AonC」代表が届けたいメッセージとは (3/4ページ)
背中の部分がクロスになっていて、かつレースも施されていることでデザイン性もアップして、一石二鳥に。
アジャスターが前にあるのもポイントです。やはり車椅子に1日中もたれかかっている状態だと、アジャスターの位置によってはどうしても背中が痛くなってしまいます。アジャスターを前にもってくることで、1日快適に過ごせる状態を実現しました。
ーーこだわりがすごい……! しかも、肩紐が落ちないように設計されていたり、アジャスターが前についていたり、というポイントは、障がいをもっていない人にとってもすごく便利ですよね。
まさに、それがベストだと思うんです。「みんな」が使えるものの中に「障がい者」が使うものもある。それこそが「AonC」が目指している世界です。
実は、以前ある障がいを持つ方にインタビューをした際に「障がい者用に作られた機能性重視の服は着たくない」という言葉をいただいたことがありました。「障がい者向け」と聞くと「自分たちは使えるけど、普通の人は使わないんだ」と感じる、と。まるで「障がい者」と「健常者」の間に境界線を引かれているように感じるそうなんです。
ーー障がいをもつ人は、機能性に特化したものを求めているんじゃないか、と勝手に想像してしまうのですが、まさにそれが先入観なんですね。
商品を開発するうえで、SNSを駆使してとにかくたくさんの当事者の方にお話を聞いてきましたが、その中で気づいたのは、障がいをもつ人が感じている疎外感は、まさに「障がい者のために」というカテゴライズによるものだということでした。障がいをもつ人のためだけに特化した機能性重視の商品ではなく、障がいのない人も使えて、なおかつ障がい者も使える、そういうものが今の社会には足りていないんだ、と思ったんです。
実際、「AonC」のランジェリーは、授乳中の方や、四十肩で肩があがらない、などというお悩みを持つ方にもお使いいただいています。境界線を引かなくても、誰かのために作ったものが、実は他の人にとっても便利だった、ということはあると思うんです。