ある種の鳥は自分の子ではないヒナの子育てを積極的に行う。その理由とは? (2/4ページ)

カラパイア



 彼らは親戚やつがいになる可能性のある仲間と隣り合ってグルーミングをするなど、非常に親密な関係を作り上げる。

 そうは言っても、誰彼かまわず仲良くなるわけではなく、鳥には鳥なりの線引きがある。というのも、群れのそばに危険な捕食動物が迫ってくると守る相手を選ぶのである。

[動画を見る]

ホオグロオーストラリアムシクイのオスとメス・オーストラリアムシクイのヘルパーを観察
 今回、トゥニセン博士らが観察したのは、オーストラリア北部の固有種「ホオグロオーストラリアムシクイ(Malurus coronatus)」(以下、オーストラリアムシクイ)というオーストラリアムシクイの一種だ。

 オスの頭が鮮やかな紫をしていることから、英名を「パープルクラウン・フェアリーレン」という。メスの頭部は頭部は灰色だ。

 その名の通り主に昆虫を食べ、他に小さな種子や果実なども採食する。

 この鳥の特徴は社会性があり、家族単位の小さな群れで生きていることだ。そうした群れは、繁殖するための1組のつがいのほか、子育てを助けるヘルパーによって構成される。

 トゥニセン博士らは、西オーストラリア州キンバリー地方の人里離れた自然で、この鳥を何年も観察してきた。

 そこは本当に何もないところで、鳥が大好きな研究者にとってもなかなか大変な場所であるようだ。

 「雨季には繁殖が盛んに行われますが、しばしば道路が洪水に見舞われて、外界から完全に遮断されてしまいます」(トゥニセン博士)

 オーストラリアムシクイは、小川に沿って生息している。そのため彼らを観察するには、トゲの生えた草木をかき分け、ときには氾濫した小川をわたり、もちろんヘビやら昆虫やら、ありとあらゆる生き物にも遭遇する。

 トゥニセン博士らは、鳥を識別するために、その足に色分けされた金属ブレスレットを取り付けて観察する。だがそれも熟練した技が必要だ。
「ある種の鳥は自分の子ではないヒナの子育てを積極的に行う。その理由とは?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る