奈良・明日香村にある謎の石造物!その名も「マラ石」とは?正体不明の陽石のことを考えた (5/6ページ)
一般社団法人 飛鳥観光協会のHPには「石棒状の立石の一種と考えられていますが、古代の子孫繁栄や農耕信仰の対象なのか、坂田寺の境界なのか謎の石造物です。」と記されています。坂田寺は、飛鳥大仏を造った鞍作鳥が造営に関わった鞍作の氏寺ですが、わざわざ陽石を境界を示す石にするものでしょうか。この辺りも判然としません。
災厄・疫病を封じる結界に立つ石
結局「マラ石」の正体は謎としかいいようがありません。ただ、石の近くを流れる飛鳥川は、『万葉集』に「故郷を偲ぶ 清き瀬に 千鳥妻呼び 山の際に 霞立つらむ 神奈備の里(歌意:清い瀬に、千鳥は妻を呼び、山の間に霞が立っていることだろう。飛鳥の神奈備の里では)」(巻7・1125)と読まれていることから、飛鳥川およびその周囲は、神聖な場所として認知されていたようです。
「マラ石」から南へ行った奥飛鳥の稲渕集落には「男綱」と呼ばれる勧請縄があり、さらに南へ行った集落にも同じ勧請縄の「女綱」が掛けられています。