クマムシが月に置き去りになって5年。彼らが月に住みついた可能性はあるのか? (4/5ページ)

カラパイア

月面への激突は、それよりもずっと優しいものだった。

 これを切り抜けたとして、宇宙から降り注ぐ放射線はどうだろう? 地磁気がバリアになる地球とは違い、月に太陽からの粒子や宇宙線から守ってくれるものはない。

 だがこれも、きっとクマムシなら耐えられる。

 たとえば月面には耐えずガンマ線が降り注いでいるが、それを10年間浴びたとしても、総線量は1グレイ程度でしかない。4400グレイに耐えるクマムシには、痛くも痒くもないはずだ。

 問題なのはクマムシが乾眠から復活して、繁栄できるかどうかだ。

 そのためには水が必要だが、月ではそれが簡単には手に入らない。

 また月の気温は、夜になればマイナス170~マイナス190度、昼は100~120度にもなり、地球とはまるで違う。しかもそれがいつまでも続くのだ。月の昼と夜は、地球での15日弱に相当する。

 残念ながらクマムシは、水・酸素・微細藻類の不足を克服することができず、復活することも、子供を作ることもできないだろうと、パルカ氏は予測する。

 だからクマムシが月面への衝突を生き延びたとしても、そこを新天地として繁栄することはないのだそうだ。

[画像を見る]

・たとえ乾眠状態でもクマムシが月にいることが問題
 それでも倫理的な問題は残ると、パルカ氏は指摘する。乾眠状態とはいえ、月の土にクマムシが存在するかもしれないこと自体が問題なのだという。

 現在、人類は太陽系のいたるところへ探査機を送り込んでいる。もしもそこにクマムシ以上にタフな生物が付着しており、惑星や衛星を汚染してしまったとしたら?

 それによって地球外生命体を発見する機会が永遠に失われてしまう恐れもあるというのだ。

「クマムシが月に置き去りになって5年。彼らが月に住みついた可能性はあるのか?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る