クマムシが月に置き去りになって5年。彼らが月に住みついた可能性はあるのか? (1/5ページ)
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今から5年前の2019年4月、イスラエルの民間団体が打ち上げた月探査機「ベレシート」が月面に墜落した。この探査機にはクマムシが数千匹格納されていたのだが、そのまま置き去りの状態になってしまった。
銃で射出されても死なないクマムシだ。もしかしたらこの衝突に耐えて、今も月で生存しているのではないだろうか?と期待に胸を膨らませている生物マニアも多い。
だが例えクマムシといえども、空気も水もない月で生き延びることなどできるのだろうか? この疑問について、フランス国立自然史博物館の専門家が科学的見地から考察してくれている。
・5年前、探査機が月面に墜落
月探査機「ベレシート」は、民間団体として初の月面着陸を目指したミッションで、2019年2月22日に打ち上げられた。
4月4日に月周回軌道への投入に成功したものの、4月11日の着陸時に悪夢に見舞われた。
高速で移動するベレシートは、着陸するために減速しなければならないのだが、減速中にジャイロスコープが故障し、主エンジンがブロックされてしまった。
月面から高度150mの高さを飛行していたベレシートの速度は、時速500km。そのまま月面に激突し、木っ端微塵に砕け散った。