史上最大規模の超大質量ブラックホールの宇宙地図を公開 (2/4ページ)

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 内部には超大質量ブラックホールがあると考えられている。太陽の数千億倍も明るく、数十億光年 離れた場所からも観測することが可能だ。

 光すら逃れられない巨大なブラックホールがあるというのに、宇宙一明るいのは、この怪物のような天体の強烈な重力によって、周囲にあるガスや塵が引き寄せられるからだ。

 そうした物質は、ブラックホールの周りに渦を描くように円盤状に集まる。これを降着円盤という。そしてその際、摩擦によって膨大な熱が発生し、さまざまな電磁波が放たれる。

 また降着円盤の一部は、まるでジェットのように、光速に近い速度で噴出される。こうした大量のエネルギーが、クエーサーを明るく輝かせているのだ。

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観測地点から見たクエーサーの位置。クエーサーがない領域は、天の川銀河の円盤によって視界が遮られているところ。強く赤方偏移しているクエーサーほど遠い/Credit: ESA/Gaia/DPAC; Lucy Reading-Ikkanda/Simons Foundation; K. Storey-Fisher et al. 2024・宇宙の構造を示す地図
 クエーサーの地図は、この宇宙の構造やそこに存在する物質を知る大切なヒントになる。

 たとえば、クエーサーが存在する銀河は、「ダークマター(暗黒物質)」という目に見えない謎の物質に囲まれている。だからクエーサーを調べれば、ダークマターについて理解するヒントを得ることができる。
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