7万5000年前のネアンデルタール人女性の顔の復元に成功

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7万5000年前のネアンデルタール人女性の顔の復元に成功
7万5000年前のネアンデルタール人女性の顔の復元に成功

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 21世紀になってから発見された、7万5000年前を生きたネアンデルタール人女性の骨から顔が復元された。

 骨の発見場所である現在のイラクにあるシャニダール洞窟は、ネアンデルタール人たちが繰り返し死者を埋葬した場所だと考えられている。

 その理由は、死者を悼むかのように花が手向けられた痕跡が残っていたためだ。このことは、ネアンデルタール人に対する私たちの従来の認識を覆すことになるかもしれない。

・ネアンデルタール人の埋葬文化
 イラク北部、クルディスタンにあるシャニダール洞窟で、初めてネアンデルタール人の骨が見つかったのは1950年代のことだ。以来、少なくとも10人分の遺骨が見つかった。

 それ以上に注目すべきは、洞窟内に死者を埋葬する葬送習慣が彼らにあったらしいことを示す証拠が見つかったことだ。

 これは、原始的な野蛮人に近かったというこれまでのネアンデルタール人に対する私たちの認識を覆し、彼らにも私たちと同じように死者を悼む思想があったことを示しているように思える。

 例えば、洞窟内のひとつの巨大な岩の後ろに5人がまとめて埋葬されていた。

 これは、ここが特別に重要な意味をもつ場所だったため埋葬地として選ばれ、のちのちの世代もその習慣を受け継いでいった可能性を示している。

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イラクにあるシャニダール洞窟はネアンデルタール人の埋葬場所だった可能性 / image credit:University of Cambridge/Graeme Barker

 さらに1960年代には、一体の遺骨のまわりに花粉のかたまりが発見された。

 そこからネアンデルタール人たちが死者に花を手向けた、つまり葬送という意識があった証拠だという考えが出てきた。

「ネアンデルタール人が死者を埋葬するために特定の場所にまた戻ってきていることがわかります」ケンブリッジ大学のエマ・ポメロイ博士は語る。

「この洞窟が埋葬地として、数十年あるいは数千年使われた可能性があります。単なる偶然なのか、意図的なものなのかは今のところわかりませんが、もし、意図的なら何度も戻ってきた理由はなんなのでしょうか?」・つぶれた頭蓋骨からネアンデルタール人女性の顔を復元
 2018年に頭蓋骨や上体の一部の骨が発掘され、のちにシャニダールZと名づけられたネアンデルタール人女性も、この大きなの岩の後ろに埋葬されていたひとりで、頭蓋骨は岩につぶされて粉々になっていた。

 その骨は今から約7万5000年前のものと推測されており、残っていた歯の分析から、40代半ばだったこともわかった。寿命が短い当時にしては高齢なため、尊敬され敬われていた人物だったことがうかがえる。

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シャニダール洞窟内で発見された「シャニダールZ」のつぶれた頭蓋骨 / image credit:University of Cambridge/Graeme Barker

 顔を復元するため、この女性の頭蓋骨の破片を丹念に拾い上げてスキャンし、再び組み立て直した。骨は脆くなっていて、細心の注意を払わなくてはならなかったという。

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シャニダールZの再現された頭部と頭蓋骨 / image credit:University of Cambridge/Graeme Barker・ネアンデルタール人と現生人類の違いと共通点
「頭蓋骨で見るとネアンデルタール人と現生人類であるホモ・サピエンスはかなり違って見えます」ポメロイ博士は言う。
ネアンデルタール人の頭蓋骨は眉の隆起が大きく、顎があまりなく、顔の中央が突き出ているため鼻が大きく目立ちます。でも、再現された顔は現代人との差がそれほど大きくないように思えます

ネアンデルタール人はおよそ30万年前に現れ4万年前に絶滅しましたが、近年の研究で彼らはアフリカからユーラシア大陸に進出した私たちホモサピエンスのご先祖と異種交配していたことがわかっています。

今日生きている私たちのほとんどがネアンデルタール人のDNAを持っていることまで判明し、彼らはもういないけれど、その遺産は現代までずっと残っていると言えます(エマ・ポメロイ博士)
 実際に、ホモサピエンスとネアンデルタール人の間には多くの共通点があることが明らかにされている。ネアンデルタール人も火を使いこなして食べ物を調理し、アートを創造していたことが指摘されている。

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ネアンデルタール人女性の頭蓋骨と顔を復元したエマ・ポメロイ博士 / image credit:University of Cambridge/Graeme Barker・ネアンデルタール人には死者を悼む習慣が本当にあったのか?
 ネアンデルタール人が死者を埋葬した墓を花で飾ったいう考えは、最近、疑問視されている。洞窟内にあった花粉はミツバチが巣作りのために持ち込んだ可能性がある、という研究結果も報告されているのだ。

 それでも、見つかった遺骨からは、古代のヒト科生物が他者に共感する力を持ち、感情的にも進化した現代人に近い生き物だったというイメージが浮かぶ。

 障がいをもつ者が死ぬまでずっと仲間から面倒をみてもらっていた痕跡も見つかっていることからもそう思いたくなる。

 「150年前に初めてネアンデルタール人の遺骨が見つかってからずっと、彼らは野蛮人のような旧人類だったというような悪い評判しかありませんでした」発掘調査のリーダー、グレイム・バーカー教授は言う。
私たちの発見は、シャニダール・ネアンデルタール人が、死とその後の世界について、進化的にもっとも近い現代の私たちとそれほど変わらない考えをもっていた可能性があることを示しているのです(グレイム・バーカー教授)
References:Revealed: face of 75,000-year-old female Neanderthal from cave where species buried their dead / written by konohazuku / edited by / parumo



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