『源氏物語』が結んだ紫式部と藤原道長の絆…未亡人の紫式部がパトロンを得て世界的古典を書き始めるまで (2/4ページ)

Japaaan

石山寺

数日後、琵琶湖の湖面に映る美しい十五夜の名月を眺めていると、都から須磨(兵庫県神戸市須磨区)に流された貴公子が、月を眺めながら都を回想する一場面を思い立ちます。そこで、

 月のいとはなやかにさし出でたるに、 「今宵は十五夜なりけり」と思し出でて……
 (月がとても明るく出たので、「今夜は十五夜であったなあ」と思い出して……)

と書き始め、やがて壮大な『源氏物語』を完成させた、というエピソードです。

なお、この書き出しは『源氏物語』全5帖の第112帖「須磨」の冒頭にあたります。

この「源氏物語のおこり」と呼ばれるエピソードは、平安時代末期に成立したとされる『古本説話集』、鎌倉時代初期の『無名草子』、南北朝時代に書かれた『源氏物語』の注釈書『河海抄』などに収められています。

また、石山寺の一角には紫式部が執筆したという部屋 「源氏の間」が遺されています。

紫上に来訪者!?

しかし、語り継がれる多くの伝承が必ずしも事実とは限らないもので、学者たちは以上のような「源氏物語のおこり」を史実とは捉えていません。

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