地球に襲来した大規模な太陽嵐は深海にも影響を及ぼしていた。地磁気の乱れを観測 (2/3ページ)
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「オーシャン・ネットワークス・カナダ(ONC)」はカナダの太平洋・大西洋・北極海、さらには南極海の沿岸や深海などに1万2000個以上の海洋センサーを設置し、海洋を観測している/ONC
2024年3月下旬から、このコンパスをチェックしていた専門家が、データの異常に気づいた。
当初、地震の可能性が疑われたが、データの変化があまりにも長く、またさまざまな場所で同時に発生していたため、それではうまく説明できなかった。
そして注目されたのが11年周期で活動ピークを迎えている太陽の活動だ。
これとデータとの関係を調べたところ、なんと最近の太陽嵐の強さやそれによるオーロラは、コンパスが指す方向と相関していることが判明したのだ。
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太陽フレアによる地磁気の乱れは、深海に設置された観測機器のコンパスにも影響していた / image credit:ONC・太陽の活動は今後2年間で最高のピークに
太陽の活動には11年周期のサイクルがあるが、今後2年間で今回のサイクルのピークに達する。
そのため最近世界各地のニュースを賑わしている壮麗なオーロラは、今後2、3年は繰り返すだろうと期待されるが、それがいつ起きるのか正確に予測することは難しい。
ONCの観測機器に記録されているデータは、こうした太陽活動が地球の地磁気に与える影響を理解する新たな情報になると考えられるそうだ。