臓器移植後に性格が変わることがある。いったいなぜなのか? (2/4ページ)
例えば、移植による性格の変化がよく見られるという心臓なら、「心房性ナトリウム利尿ペプチド」や「脳性ナトリウム利尿ペプチド」などのペプチドホルモンを放出し、腎臓に作用して体液のバランス調整を助けている。
また心臓には、「闘争・逃走反応」を司る脳の「視床下部」を抑える役割もある。そして視床下部は、生体システムの恒常性から気分まで、あらゆることに関与している重要な部分である。
つまり移植された臓器は、そこから放出する物質によって、移植を受けた患者の気分や性格を変えられると考えられるのだ。
実際、心臓移植をするとナトリウム利尿ペプチドの値が高くなったまま、二度と下がらないことがある。
テイラー氏によれば、それは手術による傷への反応が関係しているが、一方でそれがすべてではないだろうという。
[画像を見る]
photo by iStock・記憶は脳以外の体の中にも保存されている可能性
性格に関係するものとして、それまでの体験や知識のデータ、すなわち記憶があるだろう。