臓器移植後に性格が変わることがある。いったいなぜなのか? (1/4ページ)

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臓器の移植手術を受けたら、患者の性格が大きく変わった。こんな話を信じるだろうか?だが実際にそれは起きているようだ。
心臓を移植されてクラシック音楽に夢中になった元クラシック嫌いの患者、17歳の少年の心臓を移植されてから、ヘッドホンで大音量の音楽を聴くようになった中年男性など、臓器移植で性格が変わったというケースは数多く報告されている。
最近の研究によるなら、心臓移植を受けた患者の性格が変わるのは、わりと普通にあるのだという。しかも心臓だけでなく、どんな臓器の移植でも起こりうるようだ。
この不思議な現象はなぜ起きるのか?英国ランカスター大学の臨床解剖学者アダム・テイラー氏が説明してくれた。
・臓器移植後に性格が変化する理由
臓器を移植されて性格が変わるという話が本当なのだとして、原因としては何が考えられるだろうか? それは少なくとも魂が乗り移るといったスピリチュアル的なことではない。
テイラー氏によれば心理的な要因と生物学的な要因の2つが考えられるという。
心理的な要因としては、例えば、急死に一生を得たことで人生観が変わり、その人の性格を明るくなることもある。反対に罪悪感などのせいで、心が暗くなることもあるだろう。
さらにこうした性格の変化は、生物学的な影響を受けている可能性もあるようだ。
移植された臓器は、それぞれの居場所で、それぞれの役割を果たす。だがそれだけでなく、ホルモンやシグナル分子を放出することで、体内の他の場所にも影響を与えている。