標的に強力な粒子ジェットを発射する「デス・スター」のようなブラックホールを16個発見 (3/5ページ)
画像はX線と電波で撮影したもの/Image credit: Image credit: X-ray: NASA/CXC/Univ. of Bologna/F. Ubertosi; Insets Radio: NSF/AUI/NRAO/VLBA; Wide field Image: Optical/IR: Univ. of Hawaii/Pan-STARRS; Image Processing: NASA/CXC/SAO/N. Wol・ジェット噴射で星の形成を阻害している可能性
超大質量ブラックホールが放出する高エネルギー粒子のジェットは、その周囲を円盤のように取り囲んでいる物質の雲(降着円盤)が飲み込まれるプロセスで発生する。
降着円盤の物質はだんだんとブラックホールの巨大な重力に引き寄せられ落下していくが、すべてが飲み込まれてしまうわけではない。
その一部は超大質量ブラックホールの強力な磁場によって光速近くまで加速されて、極の方向へ二手に放たれる。これが超大質量ブラックホールから出る宇宙ジェットの正体だ。
こうしたジェットは映画のように星々を破壊しないまでも、星の形成を阻害することならできる。
ジェットが周辺にある銀河の高温ガスに衝突すると、そのエネルギーによってガスが冷えなくなる。恒星が誕生するのは、ガスが冷えて集まり、それ自身の重力によって崩壊したときだ。
つまりガスの冷却を邪魔するジェットは、その領域にある星の形成を阻害する。もしもジェットがさっと宇宙を薙ぎ払うように移動したとすれば、そこに星が誕生しない空間が出現することになる。