標的に強力な粒子ジェットを発射する「デス・スター」のようなブラックホールを16個発見 (1/5ページ)

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この宇宙には映画『スター・ウォーズ』に登場する超破壊兵器「デス・スター」のような巨大ブラックホールが存在する。
国際的な天文学者チームが、強力な高エネルギー粒子ジェットを放出する16個のブラックホールを観察した。
すると驚いたことに、まるで破壊するターゲットに砲塔を向けるデス・スターのように、ジェットの方向をぐるりと変えるブラックホールがあったのだ。
そのジェットが映画のように惑星や星々を破壊しているかどうかはわからない。だが少なくともその影響で、ジェットが照射された領域では星の形成が阻害されると考えられるという。
・16個のデス・スター・ブラックホールを発見
ここでの”デス・スター・ブラックホール”とは、強力な宇宙ジェットを放出する「超大質量ブラックホール」のことだ。
イタリア、ボローニャ大学のフランチェスコ・ウベルトシ氏を中心とする研究チームは、NASAの宇宙望遠鏡「チャンドラ」とニューメキシコ州にある電波望遠鏡「超長基線アレイ(VLBA/Very Long Baseline Array)」で、そうした16個の超大質量ブラックホールを観測した。
すると驚いたことに、その中にジェットの放出方向を90度近くも変えたものがあったのだ。
それどころか観測したブラックホールの3分の1近くが、過去にはまるで違う方向に高エネルギー粒子のジェットを放出していたことがわかった。