カッコウの托卵が、新種を次々と生み出す理由 (3/5ページ)
例えば、リトル・ブロンズカッコウとシャイニング・ブロンズカッコウの場合、托卵に利用する鳥がそれぞれ異なっており、ヒナは仮親のヒナによく似ている。
そして、こうした姿の違いのために、両種はさらに亜種に分類されることになった。
こうした種の分岐は、ひとつの地域に利用できる鳥が2種いても起こる。
オーストラリア、クイーンズランド州北部に生息するリトル・ブロンズカッコウは、ハシブトセンニョムシクイとノドグロセンニョムシクイに卵を預けるが、その結果として2つの亜種が生まれた。つまり亜種が誕生したのは、生息域の違いが原因ではないということだ。
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リトル・ブロンズカッコウ(A・B・C)とシャイニング・ブロンズカッコウ(D・E・F)の亜種。それぞれのヒナ(上段)はそこで利用できる鳥のヒナ(下段)にそっくりだ / image credit:Naomi Langmore, Hee-Jin Noh, Rose Thorogood, Alfredo Attisano・仮親となる鳥も新種が誕生しやすくなる
オーストラリア国立大学の研究チームは、非破壊的な方法でカッコウの卵からDNAを収集してきた。
そこから明らかになったのは、カッコウによるダメージが大きいほど(例えば、ヒナがすべて殺されるなど)、仮親となる鳥は新種が誕生しやすくなるということだ。
するとカッコウもまたそれに対抗しようとして、カッコウと利用される鳥との間で「進化の軍拡競争」が起こる。カッコウは欺くスキルを磨き、利用される鳥は真実を見抜くスキルを磨くのだ。
さらに進化モデルを利用した分析では、このことがあらゆるカッコウの種で裏付けられたという。カッコウのヒナが養親のヒナと共存する場合(負担が小さい)、新種は誕生しにくいが、共存しない場合では、より頻繁に新種に分岐する。