318万年前の化石人類「ルーシー」は毛深くなかった (2/6ページ)

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ルーシーの復元予想図 / image credit:Cleveland Museum of Natural History.

 だが、アメリカ・ジョージア州ケネソー州立大学の学際研究科長および哲学教授のステイシー・ケルトナー氏によると、こうした毛むくじゃらのルーシーの姿は、じつは間違っているかもしれないという。

 人類とシラミの共進化の研究から、私たちの祖先は300万~400万年前に体毛のほとんどを失っていただろうことが明らかになっている。

 衣服を身につけるようになったのは、8万3千~17万年前のこと。つまり、250万年以上もの間、裸で過ごしていたのだ。・体毛を失ってから衣服を身に着けるまでの期間
 そのころの人類が体毛を失ったのは、体温調節・生理的発達の遅れ・交配相手へのアピール・寄生虫の予防など、さまざまな要因が複雑に絡み合ったためであるようだ。

 そして環境的・社会的・文化的要因によって、やがて衣服を着るようになった。

 とはいえ、わざわざ体毛を捨てなおかつ服を着るというのは、ずいぶん回りくどいことに思える。祖先がそんなことをしたのも、脳の大きさが関係しているのかもしれない。

 私たちの脳は成熟するまでに長い時間がかかり、しかも人体の中でひときわエネルギーを消費する特殊な器官だ。

 その結果、人間の赤ん坊が独り立ちするまでには、長期間誰かから世話をしてもらわねばならなくなった。

 そこで私たちは”夫婦”という戦略を採用した。男女がパートナーとなって、長年にわたる育児を協力して行うのだ。

 が、このような戦略にはリスクもある。人間は社会的な生き物で、大勢の仲間と一緒に暮らしている。こうした環境では、往々にして浮気の誘惑に駆られがちだ。裸のままではなおさらだろう。

 それでは2人1組の協力体制が崩壊し、子育てが難しくなる。
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