Shall we ダンス?衝突する銀河と踊る初期ブラックホールを観測 (2/4ページ)
すると降着円盤は電磁スペクトルの全域で光を放つようになる。その光は凄まじく、ときにブラックホールを宿す銀河内すべての星々を合わせたものより明るく輝く。
ゆえにPJ308-21のようなクエーサーは、宇宙で最高クラスに明るい天体である。
このような凄まじい現象がどのようにして起きるのか、ブラックホール自体からは知ることができない。だが、降着円盤やクエーサーにはその手がかりがある。
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大質量ブラックホールと降着円盤のイメージ/Image credit: S. Dagnello (NRAO/AUI/NSF)・クエーサー「PJ308-21」の中心は金属でできていた
誕生してからまもない初期の宇宙は、もっとも軽くて単純な元素である「水素」と少量の「ヘリウム」で満たされていた。
これを材料にして、宇宙で最初の星々や銀河が誕生する。こうした星々はその一生のうちに、水素やヘリウムよりももっと重たい、いわゆる「金属」と呼ばれる元素を作り出した。
やがてこうした星々は一生を終え、超新星爆発によって金属を銀河中に散りばめた。
これが次世代の星々の材料となる。こうしたプロセスによって、宇宙にある星々や銀河は、だんだんと金属が豊富な天体になっていった。
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PJ308-21のイオン化酸素放出マップ。複雑な三次元構造と、クエーサーの周りを巡る伴銀河のダンスが見える/Image credit: Decarli et. at / INAF / A&A 2024
今回の研究によると、PJ308-21の中心部もまた金属が豊富で、周囲のガスや塵が「光イオン化」していることが明らかになったという。