古代最大の内乱「壬申の乱」からの天武天皇 誕生の経緯はホントかウソか?【日本書紀】 (3/3ページ)
大田と鸕野は天智の娘であるため、いずれの候補者が即位しても天智系の血統が皇位につくことになります。よって大海人にとっても、このプランは悪くありません。
『日本書紀』の記述からは、大海人が即位するつもりはなかったように読み取れますが、おそらくそんなことはなく、即位を固辞するのは古代の慣例でした。
大海人からすれば、天智からもう一度要請を受けるか、天智死後に群臣から推薦されるのを待っていたのでしょう。
挙兵を企てたのは持統天皇?では、大友が挙兵の準備をしたのは大海人の即位を邪魔するためだっでしょうか。倉本氏は大友ではなく、大海人の妃である鸕野が挙兵を主導したと主張します。
鷓野からすれば、大友の子である葛野王が即位すれば、自身の皇子が即位する可能性がなくなります。そこで大友を排して葛野王即位の可能性を取り除こうとしたのではないか、ということです。
大海人にとっても、葛野王以外の皇子が即位すれば自身の血統を維持することができて都合はいいでしょう。そこで大海人は鶴野に協力して、挙兵の準備をしたのではないか——。
この説は新しい通説として定着はしていないものの、壬申の乱を新しい視点で眺めた説として注目されています。
参考資料:日本史の謎検証委員会・編『図解最新研究でここまでわかった日本史人物通説のウソ』彩図社・2022年
画像:Wikipedia
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan