氷が解けて南極大陸が海から隆起、地球に及ぼす影響は? (3/4ページ)
左は低排出シナリオ、右は高排出シナリオ / image credit:Gomez et al.、Science Advances、2024・影響を受ける地域
なお地球温暖化によって生じるコストは、あらゆる地域でぴったり同じではない。
たとえば、地球は完全に滑らかな球体ではないため、重力・自転・地質的な要因によって海面上昇の影響が地域によって異なると考えられている。
最近の研究では、現在すでに海面上昇の影響を受けている低緯度の島や沿岸地域は、今後平均的な海面上昇を超える影響を受けるだろうと予測されている。このことは今回の研究によっても裏付けられたという。
一方で、こうした地域が大量の温室効果ガスを排出しているかというと、必ずしもそうではない。にもかかわらず、地球温暖化の被害は大きいのだ。
そのような地域の1つがキリバスのような島々だ。首都サウス・タラワの大部分は海抜3m未満しかなく、付近の村人たちは海面上昇による家の浸水や、海水による作物や井戸の汚染といった被害に悩まされている。
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一方、道路のような人間のインフラは、浸水した水を閉じ込め、湿地帯の生態系を危険にさらす。
こうした生態系には、水を浄化し、侵食を抑えるといった機能があるが、これらが失われれば、今後の海面上昇によってさらなる打撃がもたらされる懸念がある。
温室効果ガスの排出を減らすことができれば、地球の反発によって南極氷床が保存されやすくなるとゴメス氏らは結論付けている。
将来の温暖化は世界の海岸線に最悪かつ不公平な影響を及ぼすが、南極はこれを防止するうえでより大きな役割を果たすことができる