もっと稼ぎたいのに職場が副業禁止できつい。転職する以外の方法は?
今回のお悩み「もっと稼ぎたいのに職場が副業禁止できつい。転職する以外の方法は?」
毎月の給与の他にもっと稼ぎたいのですが、職業柄、副業ができません。転職する以外で副収入を得る方法はありますか?(30代前半/公務員)
■なぜ「副業禁止」のルールがあるの?
副業禁止というと、第一に公務員の方が浮かぶのではないでしょうか。前提として、公務員はそもそも国家公務員法・地方公務員法によって副業をしてはいけないと定められています。
では、なぜ副業をしてはいけないのか。まずは「信用失墜行為の禁止」があるからです。これは公務員のイメージを壊し、信用を無くすような行為はしてはいけないという意味です。
そして二つ目が「守秘義務」。つまり、職務上知り得た秘密を他の場所で言ってはいけない、ということですね。そして「職務専念義務」。公務員は本職に専念し、仕事に支障をきたす行為を控えなければいけないとされています。
こういった理由により、公務員の方は基本的に、他の会社へ所属しての副業は禁じられています。
そして、その他にも副業が制限されていたり、認められていない企業がありますよね。その理由も公務員と似た理由であり、本業の職務がおろそかにならないようにや、守秘義務違反にならないように、競合他社の仕事をすることで会社に不利益をもたらさないように、といった背景から就業規則で副業を認めていないのです。
■株式投資や不動産投資などの「資産運用」でお金に働いてもらう
では、副業禁止の中でできることは何があるでしょうか。一つは「資産運用」です。株式投資や不動産投資がこれにあたります。
ただし、公務員が資産運用をするときには決まりがあり、不動産投資の家賃収入・駐車場収入の合計が500万円未満であればOKとされています。しかし、管理業務を不動産管理会社など専門業者に委託している場合は、500万円を超えていたとしても問題無いという抜け道も。
上場会社にお勤めの場合は、資産運用に関してはインサイダー取引に当てはまらなければ株式投資等の制限はないので、お金に働いてもらう選択肢は大いにあるといえるでしょう。
■「兼業農家は許可が下りやすい」という例外も
地方公務員と農家の二足の草鞋を履く“兼業農家”をよく見かけます。公務員の副業は原則禁止ですが、例外的に許可を得ることで副業が認められる場合があり、農業は許可が下りやすい副業と言われています。
ほかにも親戚の農家へアルバイトに行くのもいいかもしれません。事前に許可を得ていれば、お給料が発生しても問題ないでしょう。
公務員の副業に関しては長時間であったり、報酬が大きい場合は許可が下りない場合もあり、許可を取らずに無断で副業をしたり、虚偽の報告をした場合などは、停職や減給処分を受ける恐れがあるため、事前に規則を確認しましょう。
■ポイ活やモニター、不用品の販売でコツコツ稼ぐ
他の企業に属さないという点では、「ポイ活」も一つの方法。また、商品モニターやアンケートモニターでコツコツ稼ぐという手もあります。
その他、ハンドメイド作品やフリマアプリなどで不用品を販売することも、副業禁止の中でお金を得る方法と言えます。
そして、内容によっては規定違反になる可能性もありますが、クラウドソーシングサービスを通してスキルを生かした仕事を探すのも選択肢の一つですが、所得が増えることで副業が発覚する可能性もあるので、注意が必要です。単発など、個人で完結できる仕事を探してみるのはありだと思いますよ。
◇所得税・住民税の申告は忘れずに
本業とは別の活動で得たお金については、その総額が年間20万円に収まっている場合は所得税の確定申告は不要。ただし、20万円以下でも1円でも利益がある場合は、市区町村に対して、住民税の申告は必要です。
ですが、フリマアプリ等で不用品の販売に関しては、元々自分が持っていたものを売っているだけで“仕入れがない”と見なされるため、申告が不要となります。
■結論、「資産運用」が一番おすすめ
ここまでさまざまな方法をお伝えしましたが、個人的にはやはり「資産運用」が一番おすすめです。
先日、株価の暴落が話題になりましたが、ここで「投資をやめてしまおう」ではなく、これを機にまた勉強し「どうやったら上手に運用していけるだろう」と考えていくのがベストではないでしょうか。
お金に働いてもらうことは今後のインフレリスクに備えることにもなりますし、金融庁もNISAの活用方法として、“長期・積立・分散”と言っていますから、下がったときは「むしろたくさん買える!」くらいの心意気で、ポジティブに積立投資をするとよいでしょう。
とにかく山をかけず、コツコツと、リスクを分散する。金融商品や国や地域などを分散させながら、毎月の積み立てを長期にわたって行なっていきましょう。リーマン・ショックやサブプライムショックが起こっても結局戻っているのですから、ここで一度「投資とはどういうことなのか」を学び直すよい機会かもしれないですね。
◇不動産投資にもさまざまな方法がある
副業の中でも不動産投資は資産運用とみなされ、副業にあたらないケースがあります。
公務員の場合、不動産規模が5棟未満、不動産規模が10室未満、投資による賃料収入が500万円未満、管理業務を委託する場合であれば、問題ないとされています。
会社員の場合も、事前に就業規則を確認する必要はありますが、不動産投資の規模が大きくなりすぎないように注意をしつつ、管理業務を委託するといった本業に影響が出ないなら、副収入を得ることができるでしょう。
また、空いた土地があれば駐車場にするのもいいでしょう。駐車場は家やアパートを建てるよりもリスクが少なく収入を得られるのでおすすめです。ガレージ形式の駐車場にしてみたり、1区画だけカーシェアを導入したり、EV車の充電設備を設けるなど付加価値をつけるのも一つの手。日当たりの良い土地があるのであれば、太陽光発電の売電に挑戦するのもいいでしょう。
副業禁止の中でも探せばお金を得る方法はあるもの。紹介した方法を参考に、自分に合う“収入を増やす方法”を実践してみてくださいね。
令和のマネーハック105
副業禁止だからといって本業以外で収入を得ることをあきらめる必要はなし。まずは投資から始めてみては?
(監修:丸山晴美、取材・文:ameri、イラスト:itabamoe)