戦時中に発行された「軍票」とは?紙幣の代わりなのに精算されなかったのはなぜ? (1/3ページ)
通貨の代わりだった「軍票」
戦時中に政府または軍によって発行された特別な紙幣の一種に、軍票(正しくは軍用手票)と呼ばれるものがあります。
軍票とは、自国外の戦地や占領地で軍隊が物資を調達するときに使うもので、紙幣というよりは、いわば預かり証や約束手形のようなものでした。
太平洋戦争中、英領ビルマで日本軍が使用した1/2ルピー軍票(Wikipediaより)
本国の通貨を流通させればいいんじゃない? と思われるかも知れません。しかし多額の本国通貨が国外で流通すれば、本国でその分だけ通貨を増発しなければならないためインフレーションとなります。
敵方に渡れば謀略に使用される危険があったので、本国通貨を使用するわけにはいかなかったのです。
ではこの軍票、どのように使われていたのでしょうか。また、これらは預かり証・約束手形としてその後は支払いは行われたのでしょうか?
国際法上の規定まず、近代より前の戦争では、本国からの食糧などの軍需物資の補給が間に合わなければ、現地で略奪して調達することが普通でした。
しかし、近現代の戦争では略奪を禁止する国際法上の取り決めもあり、必要なものは軍票を使って現地で調達されるようになりました。