戦時中に発行された「軍票」とは?紙幣の代わりなのに精算されなかったのはなぜ? (2/3ページ)

Japaaan

ハーグにある国際司法裁判所

1899年、オランダのハーグで開催された第1回万国平和会議で、国際的戦争のルールを定めたハーグ陸戦条約が締結されています。その中には、軍票の発行についても次のような規定があります。

第47条「略奪はこれを厳禁とする」
第51条「一切の取立金に対しては納付者に領収書を交付しなければならない」
第52条「現品を供給させる場合には、住民に対して即金を支払わなければならない。それができない場合には領収書を発行して、すみやかに支払いを履行すること」

と規定されています。ここでいう「領収書」とは軍票のことで、戦争が終わった後は、発行国によって通貨や正貨に交換され精算されるべきものだったのです。

支払い義務消滅の経緯

日本では日清戦争以後の対外戦争、とくに日中戦争と太平洋戦では軍票が大量に発行されました。

東南アジア地域では太平洋戦争の戦線拡大に伴って発行されましたから、現在のインドシア方面、マレーシアやシンガポール方面、フィリピン方面で使用されました。

一見すると日本政府が発行したものには見えないのですが、英語の場合は「日本政府」を意味する「THE JAPANESE GOVERNMENT」と表記されています。

戦後、本来ならば日本政府に軍票支払い義務があるのですが、国家の総力戦に敗れた日本には、軍票を回収して払い戻す経済力はありません。

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