大河『べらぼう』で花魁・花の井が実在した「五代目 瀬川」を襲名!美しく男前…その魅力に迫る【後編】 (2/6ページ)
花魁の名跡襲名のたびに「吉原細見」が大ヒットするという事実
そもそも「名跡(みょうせき)」というのは、代々継承される芸名や家名のことです。「瀬川」というのは、実際に、新吉原江戸町松葉屋半右衛門(正名僕蔵)かたの遊女で、享保から天明まで9人いました。
ドラマの2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』」で、平賀源内が妓楼・松葉屋を訪れたときに平賀源内が「瀬川(という遊女)っていねえの?」と尋ね、女将のいね(水野美紀)が「昔はいたけれども、今は空き名跡なんだよ」と断ったシーンを覚えている人は多いでしょう。ドラマでは松葉屋においては「瀬川」の名前はタブーになっているようでした。
◯◯太夫など有名な花魁の襲名するということは、単純に名前を継ぐというだけではありません。その花魁の名前が持っているイメージ・信用・気風などはもちろん、先代から引き継がれている「顧客」などすべて引き受けることになります。
その名前を継ぐものにとっては、とてつもない重責でしょう。
平賀源内の恋人・二代目瀬川菊之丞が演じる花魁「瀬川 路考」歌川豊国
そのため、新しい世代の遊女が名跡襲名するとなると、吉原の一大トピックスとなったのです。【前編】でもご紹介しましたが、吉原では有名な花魁の名跡襲名のたびに「吉原細見」が大ヒットしたとか。そこで、花の井は蔦重が新たに知恵を絞って作った「吉原細見」を売るために、瀬川の名前を引き継ぐことを決意したのでした。