毎年12万人超が集う神秘の奇祭!京都・宇治「県祭り(あがたまつり)」その驚くべき風習を紐解く【前編】 (3/5ページ)
ちなみに「梵天」とは、神霊の依り代とされ、奉書紙を束ねて球状にした大きな幣束のことで、簡単に言えば「神の乗り物」ということになります。
暗闇の中に浮かび上がる直径1.5mの球形に束ねられ竹の先へ挟んだ「梵天」は、子孫繁栄の御利益だけに、“男根”を象っているとか……。その「梵天」が、神輿を担いだ氏子たちによって、縦に横に暴れまわるのです。
神の依り代とされる梵天。神輿に一緒に乗る神人も梵天と呼ばれる。
この神事はかつて、「宇治神社御旅所」を出発し、宇治橋西詰を経て「縣神社」で儀式を行い、その後また「御旅所」に戻るというルートで執り行われていました。
しかし、2003年に御輿の担ぎ手である「県祭奉賛会」と「縣神社」との関係がこじれたことから、2004年以降は両社がそれぞれ独自に「梵天渡御」を行うという分裂状態が続いています。
この対立の背景には、両社における祭神観の違いがあるとされ、木花開耶姫命を祭神とする独立した神社であると主張する「縣神社」に対し、「宇治神社」は「縣神社」はあくまで自社の末社であるとする立場をとっているのです。
こうした認識の相違が、祭の主導権をめぐる争いなどに発展し、今日まで分裂開催が続く事態となってしまいました。
暗闇の中で縦に横にと大暴れする梵天それでは、6月5日深夜に行われる「梵天渡御」の流れを「宇治神社」「縣神社」の両社から見ていきましょう。