任侠道は本当に「武士道」がルーツなのか?江戸時代の無頼者たちの掟と武士の精神 (1/4ページ)
江戸時代、人々が「無頼者」の世界に足を踏み入れる理由はさまざまでしたが、ゴロツキ集団をまとめるのは容易ではありません。
そこで取り入れられたのが武士道の精神だったというのが、多くの研究者や知識人の一致した見解です。
例えば明治・大正時代の国粋主義者である杉浦重剛は、「日本人は生まれながらに大和魂を持つが、その魂が武士に顕れれば武士道、町人に顕れれば侠客道だ」と述べています。
そもそも侠客とは「弱きを助け、強きを挫く」という任侠の精神を有する者たちを指す言葉です。古代中国の春秋時代に生まれたとされ、漢の初代皇帝・劉邦も任使の徒だったといわれています。
歴史書の『史記』には「遊侠列伝」という侠客を紹介する項があり、著者の司馬遷は「(遊侠は)法を破るものの、行動が勇猛果敢で、約束したことは必ず守り、困っている者のために命をかける」と定義しています。
古代中国だろうと江戸時代だろうと、庶民はこうした心意気を持つヒーローを求めていたのでしょう。