『べらぼう』胸が震えた名シーン…決意を固めた“同じ成り上がり”の田沼意次と蔦重の覚悟を考察【前編】 (6/7ページ)
ドラマ初回の時は意次との間にかなり距離がありましたが、今回は座っていた意次がさっと距離を詰め、蔦重の手をしかと握り、「かたじけ茄子(なすび)だ」と手をポンポンと叩き笑います。
意次の言葉は蔦重への感謝と、齢70となろうとする自分が、生きて蔦重に会えるのも、これが最後かもしれないという万感の思いが込められていました。二人の間の思いは一つ。意次の精神が、蔦重に受け継がれた瞬間でした。
最後まで「政」を考えるのが好きだった邸を辞すときに、部屋で皆が箱の中に紙を入れている“入れ札”(投票のような)を行っているのを見かけた蔦重。
「何をしているのか?」と聞くと「誰に何の役目を頼むかというのは常に、上が決めることだが、別に皆の考えで決めてもいいのではと思うてな。これを国をあげてやったら面白いことになると思わぬか?世はひっくり返るかもしれぬ」と答えます。
その民主的な発想と先見の明は、どこからきたのでしょうか。「田沼様、その制度は100年後に「選挙」という制度で実現するのですよ」と言いたくなる場面でしたね。
その発想に驚きながら「田沼様ってえのは…」という蔦重に、後から「べらぼうでござろう!」と笑いながら話しかける三浦庄司(原田泰造)。