『べらぼう』恋川春町の“豆腐オチ”の切腹…“推しの死”に慟哭する定信の心情を考察【後編】 (2/6ページ)
【前編】の記事↓
『べらぼう』恋川春町の覚悟の死とSNSで「理想の上司」と絶賛された主君・松平信義の言葉を考察【前編】 「豆腐の角に頭をぶつけた」オチを即座に理解した妻と仲間黄表紙本で“推しの作家”たちが自分の政策を褒めてくれているとばかり思っていたのに、実はディスられていた。思ったように自分の政策が上手く進まず疎外感も覚えるようになると、悪口には敏感になってしまうもの。
恋川春町を呼び出し来れないなら「屋敷に行く」と言い出すものの、切腹を申し付けるる……とまでは考えておらず、「二度と書かないように」と厳しく言い渡すつもりだったのではないでしょうか。
史実では、春町は切腹ではなかったという説もありますが、ドラマでは切腹を選ぶという流れになっています。「皆に迷惑をかけるので…」という内容の遺書を書きながら、「恩着せがましいな」と破ってしまう春町。
これから切腹するのに、遺書に“シャレが効いていない”と感じたのでしょう。筋金入りの戯作者でした。さらに、腹を切ってから、たらいに水を張り浮かべた大きな豆腐に頭をぶつけて息絶えます。
小島松平家の藩主・松平信義(林家正蔵)に使える家臣としては、白装束で作法にのっとり切腹をするも、戯作者・恋川春町としては「豆腐の角に頭をぶつけて死ぬ」というオチを付ける。切腹という覚悟を決めたとき、そこまで考え、腹を切った状態でそれをやりとげるという、姿が凄まじかった。
