葛飾北斎の洞察力と観察力に迫る企画展「なんという目だ! ―北斎にはこう見える―」が開催。 (3/4ページ)
「冨嶽三十六景」より「山下白雨」(北斎館所蔵)
画面右には、大きくそびえ立つ不二の姿。その麓にはもくもくと怪しげな黒雲が湧き立っている。麓の村に吹く風は強くなりはじめ、家屋の茅葺き屋根を揺らしている。画面左上から伸びる線は、天からの落雷。直線を繋ぎ合わせたような面白い描き方で、一瞬の光の屈折を表現した。
『冨嶽百景』より「夕立の不二」(北斎館所蔵)
北斎の⽬には⽔と波がこう⾒える!
渦潮で有名な鳴門海峡の波の様子を描いた1ページ。大小さまざまなかたちの渦波は、互いにぶつかり合い形を変えながらまた渦巻く。右ページには切り立った岩が描かれており、鋭い岩肌の様子を筆先を跳ねさせたような筆致で表現してるのが印象的だ。無限に繰り返される波と波の衝突、そして形の変化を、北斎は映像を記録するように自身の目でとらえていたのだろう。