【べらぼう】山東京伝が手鎖刑&絶版となった洒落本『仕懸文庫』の内容やあらすじを紹介 (3/4ページ)
本作はほとんど挿絵がなく、テキスト中心となっている。
ちなみにタイトルの仕懸とは遊女の衣裳、文庫とはそれを納める箱の雅称です(文庫とは本来、書籍を納める箱を指します)。
つまり「遊女たちの衣裳ケース」、転じて「遊里の裏事情」を連想させるタイトルでした。
天下御免の吉原遊郭に対して、非公認ながら粋な気風で売り出した深川の辰巳芸者たち
その裏事情ともなれば、多くの遊び人たちが知りたがったことでしょう。
『仕懸文庫』あらすじ
初秋のこと、三人の武士たちが舟で仲町へ向かいました。
三人の年長者(30代)である朝比奈は、年若い十郎と団三郎(それぞれ20代)を案内する形です。
まずは昼から料理屋(鶴が岡屋)でお膳を囲み、いい具合に酒が回ったところで朝比奈が女中に二人の相手を指図します。
朝比奈の馴染みであるお鶴は出張中、やがてお虎(17歳くらい)とお団(20歳くらい)がやって来ました。
お虎は十郎に、お団は団三郎(団つながり?)にそれぞれ決まり、お鶴を待つ間に幇間(ほうかん。たいこもち)と芸者を呼んでひと騒ぎ楽しみます。
やがて出張から戻ったお鶴は朝比奈の元へ、みんな揃ったところで、いよいよお楽しみの床入りです。
三組は8畳の座敷を屏風で仕切り、それぞれ真実の恋に思いを燃やしました。
しばらくすると富岡八幡宮から日没を告げる入相の鐘(いりあいのかね)が響きます。
名残惜しくはあるけれど、門限の厳しい武士の悲しさ。