『べらぼう』実は写楽は外国人!?謎の浮世絵師・東洲斎写楽はオランダ人「シャラック」だった説 (4/9ページ)
似過ぎてモデルの役者からはブーイングの嵐!?
本来役者絵とは人気の歌舞伎役者のブロマイドのようなもの。当時、人々は芝居を楽しんだ後に、家でも余韻に浸るためにこぞって贔屓の役者絵を購入したそうです。
ファンとしては、当然“推し”のきれいな姿を眺めてため息をつきたいので、その役者のチャームポイントを際立たせ「美化」した画が欲しいものです。
ところが写楽の絵は、従来の美男美女画ではなく役者の顔の特徴を強調し、美醜関係なくリアリティを追求する画風でした。確かに面白い画風なのですが、ファンにとっては愛でたい絵ではなかったでしょう。
特に女形の役者絵は、「化粧と華やかな着物の下に隠されているのは男性だ!」というリアルが浮き彫りになっています。女形の美しさや可憐さより「男性が演じているぞ」という、ファンが見たくない現実を浮き彫りにしてしまったのです。役者からも「自分はこんな顔していない!」「もっときれいに描いてくれ!」というブーイングの嵐を受けたとか。
ここで、『三世市川高麗蔵の志賀大七』を描いた、写楽と勝川春英の絵の違いを見てみましょう。
上は写楽が描いたものです。面長で鉤鼻、やや前に突き出た顎が特徴の役者のようですが、鼻はけわしく顎はがっちりと長い部分を強調し、目も丸くして瞳を中心に寄せユーモラスな表情に。そして、下は勝川春英が描いたものですが、すっきりとした容貌に描かれています。