東京科学大学プベルル酸研究に科学的疑義(行政検体が存在しないことを指摘し大学論文に申立) (1/2ページ)
紅麹サプリメント健康被害問題をめぐり、原因物質とされる「プベルル酸」の研究に対し、当事者企業の株式会社薫製倶楽部の森雅昭代表が研究倫理上の疑義申立をおこなった。申立の根拠として森代表は、大阪市保健所が独自に検体を確保していないと認めている事実を指摘する。分析対象はすべて加害企業提供のサンプルに依拠しており、この状態では紅麹にプベルル酸が含まれていたこと自体を第三者が確認したとはいえない。(chain of custodyの欠落)
【事実①】行政処分への波及
食品衛生法第28条は行政機関に収去権限を付与している。しかし大阪市保健所は、死者を含む重大な健康被害が発生した本事案において、収去を実施しなかった。この事実は大阪市保健所長・中山浩二名義の回答書(大大保8562号、令和6年2月18日)において公式に認められている。
chain of custodyが欠落したまま、大阪市保健所はプベルル酸を原因物質と「確認した」旨を公文書に記載した。さらに、法的根拠文書が存在しないまま「紅麹コレステヘルプ」に対して食品衛生法第6条第2号違反として回収命令を発動した。厚生労働省担当者は当該判断文書の不存在を口頭で認めている。
【事実②】国際学術論文への波及
2026年1月23日、東京科学大学(Science Tokyo)がKidney International Reports誌に発表した論文「The pathophysiological mechanism of Beni-koji Choleste-Help/puberulic acid-induced kidney injury」(DOI: 10.1016/j.ekir.2026.103793)は、「プベルル酸が紅麹コレステヘルプの有害成分である」ことを前提に設計されている。
この前提の唯一の根拠は、chain of custodyが欠落した行政発表である。研究者自身がchain of custody欠落の被害者となった構図である。欠陥のある公的情報が国際学術誌に固定化されれば、世界中の研究者がその前提を引き継ぐ。行政の失態が科学的事実として定着することを、私たちは許容できるのか。