2024年紅麹事案 「プベルル酸の根拠不明」紅麹と紅麹サプリメントの歴史研究解説③ 自社サイト掲載のお知らせ (3/5ページ)
【FDA Cholestin規制の経緯(1997〜2001年)】
● 1997年4月:FDAがPharmanex社に「Cholestinは薬物であり承認なく販売できない」と通知
● 1998年5月20日:FDA最終行政決定(Public Docket No. 97P-0441)
● 1999年2月:連邦地裁(ユタ州)がFDA処分を違法と判断 → Pharmanex側勝訴
● 2000年7月:第10巡回区控訴審が地裁判決を破棄 → FDA側勝訴・差し戻し
● 2001年3月:差し戻し審でFDA勝訴確定 → Cholestin米国販売停止
● 以降、monacolinK含有量が検出レベル以上の紅麹製品はアメリカで実質販売不可に
この出来事は、紅麹という「伝統的食品」が近代医薬品開発の産物であるlovastatinと同一視される構造を生み出し、アメリカの紅麹サプリメント産業にとって事実上の「暗黒の時代」をもたらした。薬理活性成分を産生するという食品の性質が、逆に規制上の障壁となるという逆説的な状況が生じたのである。
3.日本における規制上の問題——モナコリンKは「医薬品」か「食品成分」か
日本においてモナコリンKは医薬品ではなく食品成分として扱われており、薬理活性を持つ成分が食品として流通するという規制上の整合性の問題は従来から指摘されていた。消費者庁「機能性表示食品」制度においても、コレステロール低下作用に関する届出が紅麹製品を含む形で受理されてきた経緯がある。
小林製薬が製造・販売していた「紅麹コレステヘルプ」も、この規制的文脈の中に位置している。同社が採用していた培養法(液体培養・発酵期間40〜50日)および製品形態(錠剤)は、伝統的固体発酵法による紅麹とは製法上本質的に異なるが、この区別が行政上明示されないまま、2024年の健康被害が「紅麹サプリメント全般の問題」として報道・規制された。
4.2024年紅麹事案との接続——二つの「暗黒の時代」の構造比較
2024年3月、厚生労働省はプベルル酸(PA)を原因物質として「強く疑われる」と発表した。