2024年紅麹事案 研究解説記事⑩「「紅麹原料」は存在しない――小林製薬大阪工場が製造していたのは食品衛生法上の「食品(紅麹)」である――」 (3/6ページ)

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■ 法律上の事実
▶    大阪工場の業種区分:食品製造業(麹製造業)
▶    製造物の法的位置づけ:「紅麹」という食品
▶    食品衛生法に「紅麹原料製造業」という業種は存在しない
▶    製造した紅麹を他の食品業者へ販売することは、食品を食品製造のために販売する通常の食品流通である

「紅麹原料」という語は、食品衛生法上の営業許可区分にも、食品表示基準にも、食品安全基本法にも存在しない。小林製薬が自社の製品管理上使い始めた社内用語が、法的検証なしに行政文書・報道に流通した。

3.造語がもたらした三つの歪み
「紅麹原料」という語が定着したことで、以下の三つの意味論的・制度的歪みが生じた。

■ 歪み① 製造物の性格の歪み
「原料」は一般的に、最終製品を作るための未完成の中間材料を指す語感を持つ。食品を「原料」と呼ぶことで、小林製薬が製造・販売した紅麹があたかも工業的な原材料・添加物原料であるかのような誤印象が生まれた。

■ 歪み② 仕入れた事業者の立場の歪み
岡山県内を含む全国の食品業者が「紅麹原料使用業者」として名指しされた。しかし彼らが行っていたのは、米麹を仕入れて味噌を作る業者と本質的に同じことである——食品を仕入れて別の食品を作る、通常の食品製造である。「原料使用」という語が問題関与者であるかのような印象を与え、不当な自主回収要請と風評被害の連鎖を引き起こした。

■ 歪み③ 紅麹という食材カテゴリ全体への誤認識
「紅麹原料」という語は、特定の製造ロット・特定の菌株・特定の製造工程で生じた問題を、「紅麹という原材料カテゴリ全体の問題」へと拡張する機能を果たした。千年にわたる東アジアの紅麹食文化——豆腐よう・紹興酒・紅酒・味噌・ソーセージ——がこの一語によって「危険な原材料に由来する食品文化」として誤認識された。

4.正確な語との対照
小林製薬・行政が使った「紅麹原料」という語と、食品衛生法上の正確な表現を対照すると以下の通りである。
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