2024年紅麹事案 研究解説「小林製薬紅麹コレステヘルプa(G970)——医薬品文献を根拠とした機能性表示食品、消費者庁に行政不服審査請求」 (3/5ページ)
3 国際的文脈:米国・EU・日本の三者比較
米国(2001年)
FDAは1998年、Pharmanex社の紅麹サプリメント「Cholestin」を調査し、主成分モナコリンKがロバスタチンと化学的に同一であると同定した。連邦巡回裁判所は2001年にFDAの判断を支持し、「医薬品成分を含む製品はダイエタリーサプリメントとして販売できない」と司法決着した。
EU(2018〜2022年)
EFSA(欧州食品安全機関)は2011年、モナコリンK(1日10mg)について「LDLコレステロールを正常に維持する」という健康強調表示を一度承認した。しかし2018年の安全性再評価において、「モナコリンKは医薬品ロバスタチンと同じ副作用——筋症、横紋筋融解症、肝障害——を引き起こす」と結論づけた。欧州委員会は2022年、紅麹サプリメントにおけるモナコリンKの健康強調表示を撤回・禁止した。
そして日本(2023年)
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzIxOTgjMzcyMTk4XzIzNGFiNzI3MTg5MDdjOTk0YTAwODZiYmQ1ZDFhNGY3LnBuZw.png ]
EUが規制を強化した翌年に、日本では同じ成分を根拠とする機能性表示食品が受理された。小林製薬紅麹コレステヘルプa(G970)の届出資料が遠藤章博士の論文を精査している以上、EFSAの2018年安全性評価を把握していなかったとは考えにくい。米国・EUの規制当局の判断を一覧すれば、小林製薬紅麹コレステヘルプa(G970)の届出は国際的な規制科学の文脈では説明がつかない。