2024年紅麹事案 研究解説「小林製薬紅麹コレステヘルプa(G970)——医薬品文献を根拠とした機能性表示食品、消費者庁に行政不服審査請求」 (2/5ページ)
しかし、その機能性の作用機序として届出資料(別紙様式Ⅴ-4 研究レビュー)に記載された内容は以下の通りである。
「紅麹に含まれるポリケチドが肝細胞内でのコレステロール合成を抑制し、さらに肝細胞が血中のLDLコレステロールを取込み促進させることで血中LDLコレステロールを低下させる機序が判明した」
そしてその引用文献として記載されているのが、
Endo A., The discovery and development of HMG-CoA reductase inhibitors, J Lipid Res. 33(11), 1569-82, 1992 Nov.
遠藤章博士(スタチンの発見者)によるこの論文のタイトルは「HMG-CoA還元酵素阻害剤の発見と開発」——スタチン系医薬品の開発史の論文である。食品の機能性根拠としてこれを引用することは、自ら「この成分は医薬品の作用機序で働く」と届出書類に記したに等しい。
さらに別紙様式Ⅴ-5(データベース検索結果)の検索式には「monacolin K」という語が明示されている。モナコリンKはロバスタチンの別名であり、医薬品成分そのものである。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzIxOTgjMzcyMTk4XzliNzIzMzk0YmE4ZDA4MDU0ZTU2YmIzM2E4YTU0ZDYzLnBuZw.png ]
食品の名前で届け出ながら、その機能性の根拠として医薬品成分の薬理文献を引用している——これは食品表示法と薬機法の整合性において根本的な問題を提起する。