「天皇」も「日本」も最初からあったわけではない?天皇家の系譜から読み解く古代史の謎【前編】 (4/7ページ)
天皇を「玉」と呼んだという逸話が象徴するように、彼らは自分の権力保持のために天皇を利用したという側面もあった。
「王朝交代説」による三つの皇統
では、もし皇統が「万世一系」ではないとすれば、どのように分かれるのだろうか。
そこで注目されるのが、1950年代以降に盛んになった「王朝交代説」である。本稿ではこの説をベースに、筆者の見解を述べていくが、詳細な論証は膨大となるため、ここでは要点にとどめたい。
初代・神武天皇から第9代・開化天皇までは「闕史八代」と呼ばれ、実在性は疑問視されている。
実在の可能性が高い最初の天皇は第10代・崇神天皇である。この系統は第14代・仲哀天皇まで続く。これがいわゆる「崇神王朝(三輪王朝)」である。
次に現れるのが第15代・応神天皇で、この系統は第25代・武烈天皇まで続く「応神王朝」だ。いわゆる「倭の五王」はこの系統に含まれる。